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26-8. 歴史を直視せよ!〜日清戦争前の日・中・韓の関係〜

 明治8年日本は朝鮮と日朝修好条規を結び、朝鮮の独立と近代化を日本が支援していくことを以前述べました(詳しくは、26-4.明治外交に学ぶ外交姿勢)。今回はその続きです。


①日本と国交を結んだ朝鮮では、一部に、日本の近代化を見て、朝鮮もこうならなければならないと本気で考え、独立と近代化を目指した、いわゆる改革派の人たちが出てきました。金玉均キンギョクキンが有名ですね。ただ、そこは朝鮮ですから、今も昔も親日派は少数派であり、悲惨な死を遂げるか、裏切るという傾向があるのですよ、悲しいことに。



②まず、李氏朝鮮王に代わり朝鮮を牛耳った独裁王妃の閔妃ミンピが、西洋列強に対する防衛力を強化する必要を強く感じ、明治15年に日本の支援を得て軍政改革をやったんですね。そうすると、軍隊を新しくするからそれまでいた人たちは失業してしまうわけです。それに目をつけた大院君(閔妃の父)が、自分がトップに立つために、その失業した兵士たちを焚きつけて、クーデターを起こすわけです。


その結果、日本公使館は焼き討ち、日本人外交官を殺しまくるというとんでもないことをやってのけました。こんなことをされたら、今も昔も戦争ですよ、普通は。


しかし、当時の日本は朝鮮に早く近代化してほしいわけです。だから、仏の心でこれを許します。賠償金は10年がかりで払うことにな、最初の2年分は対応にかかった費用としてもらうのですが、残りの8年分は朝鮮の近代化のために役立ててくれ、ということでもらわなかったのです。それだけじゃなくて、軍艦と大砲まで与えて支援しているのですよ。


ところが、助けてもらった閔妃は改革を諦め、清国に近づいていきます。まあ、閔妃にしたら、大院君に勝てさえすれば後は何でもいいといったところですよね。きっと彼らにとって、助けてもらうことは当たり前で、恩を返すという考え方はないのでしょうね。



③で、2年後です。金玉均を中心として、やっぱり朝鮮も近代化しなければ駄目だという人たちが現れてクーデターを起こします。すると、閔妃は清国に泣きついてこれを鎮圧してもらうわけです。結果、日本公使館はまたしても焼き討ち、首謀者の金玉均は日本に亡命して、福沢諭吉にかくまってもらうことになります。


しかし、「自分が日本にいては、朝鮮の近代化は永遠に望めない」ということで、自ら朝鮮に戻ってしまいます。結果、惨殺されて、死体をソウルにさらされることになってしまいます。



④この後、公使館焼き討ちの落とし前として賠償金を支払わせ、裏にいた清国とは天津条約を結ぶことになります。天津条約というのは、今後清国や日本が朝鮮に出兵するときは、事前にお互いに通告しましょう、という約束です。要するに、清国も日本も朝鮮の内紛に巻き込まれて迷惑していたのですよ。


北隣には、日清朝が束になっても叶わないであろう強国ロシアが、どんどん南下してきているのに、こんなことやってられないぞということで、緩衝地帯に取り敢えず朝鮮をしておこうということになったわけですね。



⑤そんな状況で朝鮮は、日本も清国も頼れない状況になるかもしれない、じゃあどうしようということで、自分たちが強くなろうとは考えずに、今度はロシアに媚を売り始め、東アジアの緊張をさらに高めてしまいます。強い方へ強い方へと媚びていくわけです(事大主義)。他力本願もここまでくると清々しいですよ。


後に解説しますが、日清戦争で日本が勝つと日本になびき、ロシアによる三国干渉によりロシアになびき、日露戦争で日本が勝つと、日本にすりよってきますからね。そのくせ、日本のことは馬鹿にし続け、今でも自分たちは世界の中心だと思っていますからね。本当に、歴史を直視せよ!という話ですよ。


                   やまとこたろう





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