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26-4. 明治外交に学ぶ外交姿勢 

① 日本は島国でずっと鎖国してきたせいで、外交は下手くそ

というイメージがあると思うのですが、この明治の初期の頃の外交は、実はすごいのです。日本の周りには、日本よりはるかに経済力も強いし軍事力も強い国ばかりなのに、今の主体性がなく遺憾砲しか打てない外交なんて、一切やらないのですよ。それどころか、大国ロシアと対等な条件で、樺太・千島交換条約を結んだり、超大国イギリスやアメリカと交渉の末、小笠原諸島の領有を認めさせていますからね。



②さて、周辺国との関係を見ていきましょう。当時、明らかに日本より強かった清国とは、明治4年に日清修好条規という対等な条約を結んでいます。これは、開国以来初めての対等な対外条約です。


その後、国境が曖昧だった沖縄や台湾をどうするかということが問題になりました。日本側は、沖縄は日本に、台湾は清国にということを提案しますが、相手はあの清国です、簡単に言うことを聞いてくれません。結果として、台湾征討を経て5年後に、ようやく国境が確定することになります。


ちなみに、台湾征討というのは、台湾に漂着した五十数人の沖縄漁民を、台湾人が皆殺しにしてしまったことが原因です。初めは日本政府は、台湾が清国の領土であるなら賠償金を支払うよう要求しました。しかし、清国政府は台湾は清国の管轄外だから関係がないと回答しました。


日本政府は、清国が関係ないというのだったらこちらはこちらの考えで対処すると言って、懲罰のために台湾に出兵しました。これは、台湾を侵略するということではなく、今後日本がなめられないために国家としての威厳を示すためでした。拉致被害者を数十年経っても取り戻せないどっかの政府とは大違いですね。



③次に、朝鮮半島を見ていきましょう。南下してくるロシアが朝鮮半島を奪ったら次は日本となり、日本は存亡の危機となります。日本は、朝鮮が独立自衛できる国家になることを願い、朝鮮と国交を結ぶ書状を送りました。


しかし、朝鮮は太古の昔からシナの属国でしたから、まず、書状にある天皇の皇という字が気に入らない、皇の字を使っていいのはシナの王朝だけだと、わけの分からない理由で、この書状を拒否しました。


そんな朝鮮をどうするかについて、日本国内で征韓論などの論争が起りました。結論としては、朝鮮にも日本の明治維新に習い、朝鮮を近代化しようとする人たちも出始めているから、そういう人たちの今後の活躍に期待して、とりあえず国交だけは結び、朝鮮が近代化する10年20年後を期待して待とうということになりました。


そして、明治8年日朝修好条規を結び、朝鮮が自立した近代化国家になっていくことを期待して、日本は支援していくことになりました。しかし、その期待は見事に裏切られることになっていくのです。



                 やまとこたろう


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