🤝 戦争を終わらせる準備 戦争を終わらせるタイミングと方法についても、当時の日本は周到な準備をしました。 1. 伊藤博文の和平への準備 日本の国力は限界だった : 連戦連勝とはいえ、日本の国力は限界に達しており、これ以上戦争を続けることは不可能でした。一方、広大なロシアはまだ継戦能力を残していました。 金子堅太郎を通じた米国への仲介依頼 : 伊藤博文 は、開戦前から、アメリカの セオドア・ルーズベルト大統領 と親友であった 金子堅太郎 を通じて、戦争終結時の 講和仲介 を依頼していました。これは、日本が「どうやって勝つか」だけでなく、「 どうやって戦争を終わらせるか 」まで計画していたことを示しています。 2. 賠償金なき講和と国内の不満 米国仲介によるポーツマス条約 : ルーズベルト大統領の仲介により、 ポーツマス条約 が締結され、日露戦争は終結しました。 勝利の実益 : 日本は、大韓帝国に対する優越権、遼東半島南部の租借権、南満州鉄道の利権、樺太(からふと)の南半分を獲得しました。 賠償金ゼロ : 日本の国力ではロシア本土を攻め落とすことはできず、ロシア側も徹底抗戦の構えを見せたため、条約では 賠償金 を得ることができませんでした。このため、国民の間では「多くの犠牲を払ったのに賠償金がないのはおかしい」という不満が爆発し、 日比谷焼打事件 などの暴動が発生しました。しかし、戦争継続による 国力破綻 という最悪の事態を避けたことは、指導層の 賢明な判断 であったと言えます。 やまとこたろう ランキングに参加しています。よかったらクリックお願いします。 ↓ ↓ にほんブログ村
💰 外交・資金・作戦:大国に挑んだ日本の戦略 国力、人口、兵力、海軍力において圧倒的な(後の日米戦争時以上の)差があったロシアに対し、日本が勝利を掴むためには、戦場での勇気だけでなく、周到な 外交努力 、 資金調達 、そして 奇抜な戦略 が必要でした。 1. 外交による安全保障:日英同盟の締結 対ロシア単独戦の回避 : フランス(露仏同盟)がロシア側に参戦した場合、日本は2対1の戦争となり、敗北は必至でした。これを避けるため、日本は国際的に孤立しないためのパートナーを必要としました。 世界最強国イギリスの援護 : 1902年、日本は 日英同盟 を締結しました。この同盟により、「ロシア以外の第三国がロシア側で参戦した場合、イギリスは日本側で参戦する」ことが約束されました。これにより、日本はロシアと 1対1で戦える という安全を確保しました。万一フランスが参戦しても、世界最強の海軍を持つイギリスが日本側につくため、日本は勝利の可能性を見出すことができたのです。 2. 資金調達の奇跡:高橋是清とユダヤ人資本家 圧倒的な国力の差と戦費調達の困難 : 戦争には莫大な費用がかかりますが、国力で劣る日本の国債は、誰にも見向きもされませんでした。「日本が勝てるはずがない」と誰もが考えていたからです。 高橋是清の奔走 : 当時日銀副総裁であった 高橋是清 は、世界を回り国債購入を懇願しましたが、当初は失敗に終わりました。 ロスチャイルド系資本家の支援 : 最終的に、ロシアで長年迫害を受けていた ユダヤ人 の資本家(特にロスチャイルド系の ジェイコブ・シフ )が、ロシアの ポグロム (ユダヤ人迫害)への報復として、日本国債を購入してくれました。これにより、日本は戦費を調達することができ、開戦の準備が整いました。これは 国際情勢 が日本の勝利に味方した、奇跡的な出来事でした。 3. 情報戦の天才:明石元二郎のスパイ活動 「一人で日本兵20万人の働き」 : 陸軍の情報将校である 明石元二郎 (あかし もとじろう)は、ヨーロッパを舞台に活動した 天才スパイ です。 ロシア国内の動揺工作 : 彼は、ロシアの専制政治に苦しむ少数民族や革命家(レーニンなど)に資金を提供し、反体制運動や独立運動を促しました。この工作により、ロシア国内は 内乱状態 へと繋がり( 血の日曜日事件 など)、...