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シベリア出兵の真実:共産主義の脅威に立ち向かった日本の役割 46

一般的に、日本のシベリア出兵は「大陸への野心的な侵略」と説明されがち 

です。しかし、当時の国際情勢を深く掘り下げると、その実態は全く異なることがわかります。この出兵は、日本が単独で利権を拡大しようとした行動ではなく、ロシア革命後に広がり始めた共産主義の脅威から、アジアとヨーロッパの秩序を守るための、国際的な共同対応の一環だったのです。


①なぜ日本はシベリアへ出兵したのか? 共産主義の脅威と国際社会の対応

1917年のロシア革命により、ロマノフ朝が崩壊し、世界初の共産主義国家であるソビエト連邦(ソ連)が誕生しました。共産主義は、国家や民族の枠を超え、世界中の労働者階級が団結して資本家や支配階級を打倒し、共産主義革命を起こすことを目指していました。ソ連は、その思想を世界中に広めるための組織「コミンテルン」を設立し、日本の皇室の打倒や、中国での反日運動の煽動など、日本に対しても積極的に工作活動を行っていました。

共産主義の拡大は、単なる政治思想の違いを超えた重大な脅威として、日本を含む多くの国々に認識されていました。特に、ロマノフ一家が虐殺された歴史を見ていた各国は、自国に同じ悲劇が起こるのではないかという強い危機感を抱いていたのです。当時、日本をはじめとする連合国は、ロシア国内に孤立していたチェコ軍団の救出を名目に、共同でシベリアへの出兵を決定しました。



②複数の国による共同出兵

シベリア出兵が、日本単独の行動ではないことは重要な点です。イギリス、フランス、カナダ、アメリカなど、複数の国が共同で軍を派遣しました。これは、共産主義の拡大が国際社会全体の共通課題だったことを示しています。

当初、日本は軍隊の派遣に慎重でしたが、イギリスからの要請と、アメリカも共同出兵に同意したことで、日英米共同出兵という形で参加することになりました。これは、利権を巡る単独行動ではなく、国際的な協調体制の中で行われた行動であることを明確に物語っています。しかし、アメリカは当初の協調姿勢から一転、日本の利権拡大を警戒し、共産主義者と共謀するような動きも見せ始めました。



③困難を極めた出兵:戦略の欠如と日本軍の犠牲

シベリア出兵は、日本にとって決して「成功」と呼べるものではありませんでした。日本の正規軍が派遣され、現地の共産主義勢力やゲリラとの戦闘が泥沼化する中で、日本軍は多くの犠牲を払うことになります。

特に、ニコラエフスク事件は、日本の世論を大きく動かしました。1920年、シベリアのニコラエフスクで、共産パルチザンが日本人居留民や日本軍守備隊を虐殺したこの事件は、日本国内に強い憤りを引き起こしました。この事件により、日本軍はすぐに撤退することが難しくなり、泥沼化に拍車がかかりました。

最終的に、アメリカやヨーロッパ諸国が目的を達して撤退する中、日本は最後まで残っていましたが、国内外の厳しい世論や多額の戦費負担により、1922年に撤退を完了しました。この出兵は、のちに加藤高明首相によって**「開港以来、稀に見る失敗」**と評されることになります。

シベリア出兵は、日本が国際的な秩序維持のために行った行動でしたが、戦略的な目的意識の欠如や、複雑な国際情勢に翻弄された結果、多くの犠牲と損失を伴うことになりました。この歴史は、日本の複雑な外交と軍事戦略の一側面を教えてくれます。




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