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25−4.なぜ、日本は国際連盟の常任理事国になれたのか?


第一次世界大戦後(英仏露vs独墺土)に創設された国際連盟において、日本はなぜ常任理事国(英仏日伊)の一国となったのでしょうか。日本は、日英同盟の情誼ジョウギにより、1914年ドイツに対して宣戦布告することで第一次世界大戦に参戦したのですが、この戦争での日本の貢献には以下の5つがありました。

 

①ドイツ軍攻略:                                 ドイツ東洋艦隊の基地であった山東半島の青島チンタオ攻略、西太平洋のドイツ領南洋群島(マーシャル諸島、カロリン諸島など)の占領、ドイツ東洋艦隊の追跡、オーストラリア及びニュージーランド軍の護送、太平洋のほぼ全域にわたる哨戒などです。 


②シベリア出兵:                               1918年から開始されたいわゆるシベリア出兵です。日本は総数で 7万以上もの兵士をシベリアに派遣しました。 この出兵のそもそもの目的は、第一次世界大戦中にロシア側(すなわち連合国側)に自ら降伏していたチェコ兵(当時はオーストリア=ハンガリー帝国軍の一員としてやむを得ず参戦していましたが、民族の独立を求めてその多くが戦線を離脱していました)をいかにしてヨーロッパ戦線に戻すかとの問題を解決するため、そして、それまでロシア領内に蓄えられれていた膨大な量の軍事物資がドイ ツ側に奪取されることを阻止するためでした。 


③連合国側に対する戦艦と武器弾薬の輸出:                     ロシアに対する日本の武器輸出は相当な量に上りました 。また、日本はフランスに対しても同様の武器輸出、さらにはフランス海軍の ために12隻の駆逐艦を建造しました。もちろん、同盟国で あるイギリスに対しても、積極的に戦艦や武器輸出を行いました。


④地中海での護衛任務:                              ヨーロッパでの要員及び物資不足、さらにはドイツ潜水艦による連合国側船舶への攻撃の脅威が高まる中、日本はイギリスからの要請に応じ、1917年から第二特務艦隊を地中海に派遣し、ドイツ潜水艦に対 して連合国側船舶を護送する任務に就きました。第二特務艦隊は 348回にわたっ て護衛任務を実施し、連合国艦艇及び輸送船788隻を護送、約75万の要員を護 送すると共に34回の戦闘行動がありました。                

こうした護衛任務の実態の一端をうかがい知ることができるエピソードを一つ紹介しましょう。1917年5月、ドイツ潜水艦(Uボート)による魚雷攻撃を受けて沈没したイギリス商船(軍事要員及び軍事物資を輸送)の救助活動を2隻の駆逐艦で行い、その乗員約 3,300名のうち 3,000名を救助したことがあります。ドイツ 潜水艦がまだ近海に潜んでいることを承知の上で実施されたこの救助活動に対して、イギリス国王より27名の日本海軍将校及び水兵に勲章が授与されました。 


⑤イギリスへの食料・物資輸送船団の護衛:                     イギリスは海外の自治領や植民地等からの食料・物資供給に依存しており、ドイツはその海上輸送を寸断しイギリスを飢餓状態に追い込むため、輸送船団を潜水艦により攻撃しました。日本は、イギリスの要請に応え北米の東西海域・オーストラリアの海域・インド洋などに護衛艦を多数派遣し、輸送船団の護衛に大いに力を発揮しました。


◯このような日本の貢献もあり、連合国側が勝利しました。その貢献が評価され、日本は、その後創設された国際連盟の常任理事国(英仏日伊)の一国となったのです。

      

               やまとこたろう      


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