◯イギリスを抜き世界最大の工業国となっていったアメリカは、西部開拓時代が終わり、膨大な工業製品の市場と工業用原材料の供給源を海外に求めて、最強の帝国主義国家になっていきました。彼等の目は先ずラテンアメリカに向けられていき、強大な経済力と軍事力を駆使してラテンアメリカ内庭化を強行していきました。次に、広大な太平洋を支配し、更にその先の中国大陸を狙いました。
◯ハワイ併合:
多くのアメリカ人がハワイ国に移住していき、持ち込まれた疫病によって多くのハワイ人がなくなりました。アメリカ人入植者は、次第に砂糖やパイナップル事業に進出し、1890年頃にはハワイを経済的にも政治的にも支配するようになりました。アメリカ人入植者は、アメリカ海軍の援助を得てクーデターを起こし新政府を樹立し、1898年にハワイは合衆国に併合されました。その激変の中で、ハワイ国王が独立維持のため、明治天皇に助けを求めに来たことがありました。
◯キューバを実質的に支配: 1898年、アメリカはキューバの支配権をめぐり宗主国スペインと戦争をしました(米西戦争)。この戦争に勝利したアメリカはキューバを実質的に支配下に納めました。この戦争は、アメリカが帝国主義国家に転換したことが明らかになった戦争であったと同時に、スペインのラテンアメリカ植民地支配を完全に終わらせた戦争でもありました。
この戦争の発端は、1895年に起こった第二次キューバ独立戦争にありました。コロンブスの新大陸発見以来、スペインによる砂糖プランテーションを中心としたキューバ植民地支配は、奴隷制度を含めて極めて過酷なものでした。これにキューバ人が反抗して独立戦争が始まりましたが、スペインの弾圧は依然として続き、一方キューバの砂糖資源に権益を持っていたアメリカはこれを失う事を懸念して、1898年2月アメリカ軍艦メイン号の爆沈事件を口実に、スペインに米西戦争をしかけました。
アメリカ海軍は、ラテンアメリカの各地、さらに太平洋のフィリピン、グァムなどのスペイン植民地軍を攻撃し、わずか4ケ月でアメリカ軍が勝利しました。
同年12月両国の講和が成立し、アメリカは、フィリピン・プエルトリコ・グァムの領有権をスペインから獲得しました。又、アメリカはキューバの独立をスペインに承認させましたが、その後キューバをアメリカの保護国としました。この事によって、アメリカは海外に植民地を持つ世界の強国の仲間入りをすることになりました。
やまとこたろう
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