①マゼランがフィリピンに来てから40年で、フィリピンは当時世界最強の国家であったスペインの植民地とされ、スペイン国王フェリペ二世の名にちなんでフィリピン国と名付けられました。その頃、日本植民地化の先兵として日本に来たのが、イエズス会のフランシスコ・ザビエルです。16世紀に創設されたイエズス会は「神の軍隊」、イエズス会員は「教皇の精鋭部隊」とも呼ばれ、軍隊的規律で知られていました。ザビエルは信長に近づき、キリスト教布教と南蛮貿易の許可を得ました。戦国大名たちは、火薬の原料である硝石の入手を求め、見返りに領内での布教を認めました。そして、キリシタン大名16名、信徒数10〜30万人にまで増えていきました。
②秀吉は、当初布教を容認していましたが、九州平定後、宣教師たちの先導により九州が非常に危険な状態となっていることを目のあたりにしました。
つまり、佐賀・長崎の領主が、キリシタン大名となり、寺社の破壊、僧侶を含む全住民への洗礼強制、抵抗する僧侶の迫害、反対者の国外追放を行っていることを知りました。更にキリシタン大名は、長崎港周辺をイエズス会に寄進し、イエズス会が長崎の軍事要塞化を指示し、数年後には、大砲、鉄砲、軍艦を配備したということを知りました。
???神道・仏教弾圧を正当化する理由:
イエズス会の観点からすれば、日本人が神仏と称しているものは、悪魔にほかならず、この悪魔から解放することなしに日本人の魂の救済は不可能なのだ。???
③更に秀吉は、ある事件から、スペインの日本植民地化戦略を知りました。それは、明を植民地化したいが、宣教師から得た情報ではスペイン単独では軍事的観点から無理なので、鉄砲の保有数が多く実践経験も豊富な九州のキリシタン大名に命じ、共闘して明を攻略し、明征服後、明も加えた軍事力で日本全部を攻略し植民地化する、というものでした。九州のある藩の鉄砲保有数が、イングランド全体よりも多かったという情報もあります。
④また、数万人規模の日本人が奴隷として南蛮商人によって、東南アジア・欧州・中南米に輸出されていることも知りました。
???奴隷売買を正当化する理由:
異教徒は人間ではない。キリスト教徒の奴隷になると、宣教師の洗礼を受けてようやく人間となる。奴隷であっても人間になった方が良い。それが本人の魂の救済であるし、またそうすることが神への奉仕となる。???
⑤こうした経緯から、秀吉はバテレン追放令を出しました。しかし、ゆるやかであったため旧弊が改まらず、日本の独立を犯す恐れがあるので、江戸幕府は、禁教を徹底し、スペイン・ポルトガルの来航を禁止しました。ただし、布教を要求しないプロテスタント国のオランダの来航を長崎に限り認め、世界情報の窓口としました。
○私評:
絶対唯一神を信仰するキリスト教徒だ宣教師だと称する輩の自己優越性と独善性と厚顔無恥な自己主張と自己正当化の屁理屈はおそるべしですね。侵略も大量殺戮も奴隷売買も神の名のもとに全部OKと武力で押し切り、平然として得意顔。イエス様が知られたら何と言われるでしょうか?
当時の日本が世界有数の軍事大国であったことから、列強の要求を跳ね返し植民地を免れ、重武装鎖国を実行でき、200年の平和を享受でき、世界で唯一とも言える日本人の深い精神性が醸成されていったと思量されます。
種子島に漂着したポルトガル船から2丁の鉄砲を領主が買上げ、地元の刀鍛冶職人が解体しコピー品を作り、1年後には堺などで大量生産が始まり、戦国時代の旺盛な鉄砲需要に応え、短期間に世界最大の鉄砲生産国になり、品質も欧州品より良いものが作られるにまで至りました。これが日本を救ったのです。
ところで、秀吉の朝鮮出兵ですが、超大国スペインの日本征服戦略を阻止しようとした戦略の一部たったという可能性が否定できないと考えています。
当時の状況は、今の日本の状況と似ているようにも感じられます。ウクライナに次いで、中東でも火の手が上がり、台湾侵攻の危険度が高まってきています。日常的に日本の領海・領空侵犯が繰り返されています。大陸の核搭載可能なミサイルの照準が日本の全米軍・自衛隊基地と主要都市に合わせられていると言われています。日本は果たして植民地化を免れることができるのでしょうか。祈るばかりです。
やまとこたろう
秀吉の朝鮮出兵は悪として雑に語られる傾向がありますよね。今年の大河ドラマでも。
返信削除長袖父さん コメントありがとうございます。秀吉はマニラ総督とスペイン国王などに日本侵略をやめないなら、こちらから攻めていくぞという書簡を送ったとのことです。この時、5万人の日本人奴隷をイエズス会経由有償で取り戻っしたそうです。その後スペイン無敵艦隊がイギリス海軍に敗れたため、沙汰止みとなったよぷです。日本の困った現状は、war guilt information programが70年経った今でも影響が残っている証左でもあるでしょう。これには後ほど取り上げようと思います。やまとこたろう
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