西洋と日本それぞれの根源的な特徴を言語化していくヒントが得られないかと、双方の代表的文学作品をあげ、それぞれの民族的・宗教的・文化的・思想的傾向について考察してみようと思います。まず、1〜10世紀の西洋における代表的な文学作品とその簡単な内容について、GPT4君の協力も得て以下のようにまとめました。
・1世紀:ローマ帝国の詩人 オウィディウス が「変身物語 」を書きました。これはギリシア神話やローマ神話の登場人物たちが様々な姿に変身する物語を集めたものです。
・ 2世紀:ギリシア人の作家 ロンゴス が「ダフニスとクロエ 」を書きました。これは牧歌的な恋愛物語で、シチリア島で育った二人の羊飼いが恋に落ちる過程を描いています。
・3世紀:エジプトの作家 ヘレニスティック・ロマンス が「 アイティオピカ 」を書きました。これはエチオピアの王女とテッサリアの王子の冒険と恋愛を描いた物語で、多くの奇跡や危機が起こります。
・ 4世紀:キリスト教の神学者 アウグスティヌス が「 告白録 」を書きました。これは彼自身の罪深い過去とキリスト教への回心を語った自伝的な作品で、西洋文化に大きな影響を与えました。
・5世紀:ギリシア人の歴史家 プロコピオス が「 戦争誌 」と「 秘史」を書きました。「戦争誌」は東ローマ帝国のユスティニアヌス帝の治世下で起こった戦争を記録したもので、「秘史」はユスティニアヌス帝やその妻テオドラの暗部を暴露したものです。
・6世紀:イタリア人の詩人 ボエティウス が「 哲学の慰め 」を書きました。これは彼が政治的な陰謀によって投獄された際に、哲学と対話することで自らを慰めるという形式で書かれた作品です。
・7世紀:西洋文学の中で最古の叙事詩である『ベーオウルフ』が古英語で書かれ、英語文学の源流とされています。この作品は、デンマークの王ヒューゲラクとその家臣ベーオウルフが、怪物グレンデルやその母親、火の竜と戦う物語で、北欧神話やゲルマン民族の伝承が反映されています。
・8世紀:カール大帝(フランク国王、初代神聖ローマ皇帝)の宮廷でラテン語文学が隆盛しました。代表的な作品には、カール大帝の側近エイギルハルトが書いた『カール大帝伝』(ローマ帝国滅亡後のヨーロッパに「秩序」と「文明」の光明をもたらし、キリスト教文明の基礎づくりをしたフランク王国の創設者カロルス大帝の生涯と業績を描く。)や、カール大帝の教育政策を称えたアルクィンの『教育論』などがあります。
・9世紀:アイスランドで古ノルド語文学が発展しました。代表的な作品には、神話や英雄伝説を詩形式で伝える『詩のエッダ』や、歴史的な出来事や人物を散文形式で記録した『サガ』などがあります。
・10世紀:東ローマ帝国で中世ギリシア語文学が栄えました。代表的な作品には、ビザンツ皇帝コンスタンティノス7世が編纂した『ビザンツ式典書』や、東ローマ帝国とイスラム勢力との国境地帯で活躍した英雄ディゲニス・アクリタスの物語を詩形式で伝える『ディゲニス・アクリタス』などがあります。
◯私評:ローマ帝国滅亡後、53回の軍事遠征により統一し、古代ギリシア・ローマ、カトリック、ゲルマン文化の融合を体現したカール大帝は、中世以降のキリスト教ヨーロッパの王国の太祖として扱われており、「ヨーロッパの父」とも呼ばれています。この頃、現代にまで続くヨーロッパ人の共通概念が形成されていったと思われます。ヨーロッパの範囲は広く、北欧からエチオピアまで含むものであったと推測されます。次は同時期の日本について述べます。
やまと こたろう
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