今回は、日露戦争を世界がどう見たかについて述べてみたいと思います。
①日露戦争というと、日本の教科書では1ページか2ページぐらいで余り大きく扱われることはないと思いますが、実はこれは世界史的な大事件なのです。何と言っても外せないのは、世界史で初めて有色人種が白人種を打ち破った戦いだったことですね。しかも、相手はあの超大国ロシアです。
日露戦争が始まる前に、日本が勝つなんて予想していた国は、同盟国のイギリスや仲介役を買って出てくれたアメリカを含めて、どこもなかったのです。
イギリスは自国の防衛体制が整うまでの時間稼ぎの駒ぐらいにしか思っていませんでした。
アメリカは日本がロシアに一矢報いてくれればそれでいいかな、という程度にしか思ってなかったのです。
②ところが蓋を開けてみると、日本が勝ってしまったのです。特に、日本海海戦のインパクトがすごかった。世界最強と言われていたバルチック艦隊を粉砕し、大喝采となりましたからね。この結果は世界を驚かせるのに十分過ぎました。
中でも特に勇気づけられたのは、白人に虐げられ続けていた有色人種の人たちです。
当時炎の妖精がいたら、彼らにきっとこう言ったでしょう、
「言い訳しているんじゃないですか。できないことを無理だって諦めてるんじゃないですか。駄目だ、駄目だ、諦めちゃ駄目だ。できる、できる、絶対できるんだから」とね。
どうせ白人には勝てないと思って諦めていた彼らが、有色人種でもやればできるんだということを、日本の背中を見て感じたわけです。
実際に歴史的な事実として、日露戦争以後というのは、植民地は一つも増えてないのです。
③さて、有色人種に勇気と希望を与えたこの日露戦争ですが、白人にとってはショックが大きかったのです。
それまでは脅すか殴るかすれば、言うことを黙って聞いていた有色人種が、あろうことか白人に歯向かって、しかも勝ってしまったのですからね。その上相手はあの超大国ロシアです。
白人が有色人種にそれまでにやってきた酷い仕打ちを考えれば、どれだけ日本を脅威に思ったかは、簡単に想像できますよね。下手をしたら日本を中心に有色人種連合が出来て、白人を追い出しにくるなどという可能性も考えられたわけです。
⑤それでもイギリスは、時間稼ぎ駒程度にしか考えてなかった日本がロシアに勝ってくれたことで、自分の植民地が安泰になったわけですから、万々歳だったわけです。
ただし、有色人種が勢いづいたのを見て、イギリスの新聞社は、日露戦争以後は白人が植民地を勝手に切り分けることはできなくなったという記事を出して警戒感を示しています。
⑥そして、アメリカの反応ですが、これが非常によろしくなかった。
アメリカの黒人の新聞に、日本を応援する記事が掲載されます。すると彼らは、日本が有色人種のリーダーとして世界の有色人種と協力をして、黒人を解放してくれるのではないかという期待を持ち始めます。そんなことになってしまったら、大量の黒人を奴隷として使っていたアメリカは非常に困りますよね。
日露戦争までのアメリカは間違いなく日本の友好国でした。ところが日露戦争で日本が勝つと、アメリカは日本に対して警戒感を持つようになり、徐々に反日政策へと舵を切っていくことになります。
まあ、直接の原因は、中国に遅れて来たアメリカとの利権争いなんですけれどもね。
やまとこたろう
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