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12月, 2024の投稿を表示しています

26-5. 大日本帝国憲法作成過程に学ぶ改憲の視点

  ①帝国憲法の作成に大きく関わったのは、何といってもドイツ憲法を学びにドイツに留学した伊藤博文ですね。ドイツの大学で、第一条は〇〇、第二条は□□と学ぶのですが、それがまるで高校の授業のようで実につまらない。そんな内容は本一冊あれば事足りてしまうのです。「俺は一体何をやっているんだ。時間の無駄だなあ」という風にモヤモヤしていていたわけです。 ②そんな時に、シュタイン教授という法学者と出会い、「わざわざドイツまで来て、何を勉強してるの」と聞かれます。それに対して伊藤は正直に「はい、ドイツ憲法の条文を頑張って憶えています」と答えます。 教授は、「馬鹿な、そんなのまったく意味がないじゃないか。じゃあ聞くけど、ドイツの憲法を憶えて日本に持ち帰ってそのまま使えるの。無理でしょ。ドイツも、イギリスも、フランスもそれぞれ別の憲法を持っているけれども、それはその国の文化とか歴史とか伝統とかが違うから、それぞれの国に合わせた憲法を作っているのだよ。条文だけ猿真似したって、そんなものが日本で使えるわけないじゃないか。」などとボロクソに言われるわけですよ。 これを聞いて、伊藤の中で何かが目覚め、シュタイン王国員第一号となります。 ③日本に帰ってから、伊藤は、シュタイン教授の教えに従い、古事記や日本書紀やその他日本の古い文献を読み、日本の歴史や文化や日本人の心を必死に研究します。その後に、ようやく憲法の作成に取り掛かっ たのです。 ちなみに、伊藤は 先の一件以来、憲法研究のために日本からドイツに留学する人には、必ず教授に会いに行かせています。皆感銘を受け王国民になって帰ってきたそうです。教授が亡くなった時には、教授を祀る神社を日本に作ろうという話まであったそうです。どれほど崇拝していたか、何となくわかりますよね。 ④最近、憲法改正が話題になることがありますね。それ自体はいいことだと思いますが、今の議論は憲法9条をどうするかとか憲法制度をどうするかということしか聞こえて来ません。でも本当に大事なのは、その条文とか制度に日本人の心とか民族性とかをいかに込めるかということだと思います。 今の憲法は敗戦後GHQ支配の下でアメリカによってたった一週間で作られ押し付けられたものですから、日本人の心なんて入っていないのですね。憲法というものはその国のすがたを表わすものだから、世界標準と称する猿真...

26-4. 明治外交に学ぶ外交姿勢 

① 日本は島国でずっと鎖国してきたせいで、外交は下手くそ というイメージがあると思うのですが、この明治の初期の頃の外交は、実はすごいのです。日本の周りには、日本よりはるかに経済力も強いし軍事力も強い国ばかりなのに、今の主体性がなく遺憾砲しか打てない外交なんて、一切やらないのですよ。それどころか、大国ロシアと対等な条件で、樺太・千島交換条約を結んだり、超大国イギリスやアメリカと交渉の末、小笠原諸島の領有を認めさせていますからね。 ②さて、周辺国との関係を見ていきましょう。当時、明らかに日本より強かった清国とは、明治4年に日清修好条規という対等な条約を結んでいます。これは、開国以来初めての対等な対外条約です。 その後、国境が曖昧だった沖縄や台湾をどうするかということが問題になりました。日本側は、沖縄は日本に、台湾は清国にということを提案しますが、相手はあの清国です、簡単に言うことを聞いてくれません。結果として、台湾征討を経て5年後に、ようやく国境が確定することになります。 ちなみに、台湾征討というのは、台湾に漂着した五十数人の沖縄漁民を、台湾人が皆殺しにしてしまったことが原因です。初めは日本政府は、台湾が清国の領土であるなら賠償金を支払うよう要求しました。しかし、清国政府は台湾は清国の管轄外だから関係がないと回答しました。 日本政府は、清国が関係ないというのだったらこちらはこちらの考えで対処すると言って、懲罰のために台湾に出兵しました。これは、台湾を侵略するということではなく、今後日本がなめられないために国家としての威厳を示すためでした。拉致被害者を数十年経っても取り戻せないどっかの政府とは大違いですね。 ③次に、朝鮮半島を見ていきましょう。南下してくるロシアが朝鮮半島を奪ったら次は日本となり、日本は存亡の危機となります。日本は、朝鮮が独立自衛できる国家になることを願い、朝鮮と国交を結ぶ書状を送りました。 しかし、朝鮮は太古の昔からシナの属国でしたから、まず、書状にある天皇の皇という字が気に入らない、皇の字を使っていいのはシナの王朝だけだと、わけの分からない理由で、この書状を拒否しました。 そんな朝鮮をどうするかについて、日本国内で征韓論などの論争が起りました。結論としては、朝鮮にも日本の明治維新に習い、朝鮮を近代化しようとする人たちも出始めているから、そういう人たちの...