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13-3-2. 仏教の人間観:ブッダのことばから「こよなき幸せ」

 

仏教徒は世界で約5億人でアジアに多くの仏教徒が見られます。その内、日本では8千万人強、人口の6割強が仏教徒となっています。紀元前4〜2世紀頃に編纂された最初期の仏教経典である『ブッダのことば:スッタニパータ』(岩波文庫、中村元訳)は、単純ですなおな表現でブッダが人として歩むべき道を説いたものです。その中の「こよなき幸せ」という詩を紹介します。ブッダの人間観が感じられるでしょう。


①わたしが聞いたところによると(如是我聞)、あるとき尊き師(ブッダ)は、孤独な人々に食を給する長者の園におられた。そのとき一人の神が園を照らして、師に礼して一方に立った。その神は師に詩を以て呼びかけた。                           「多くの神々と人間とは、幸福を望みながら、幸せを思うています。最上の幸福を説いてください。」


ブッダは詩を以て説かれた。:

・諸々の愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬すること、ーーこれがこよなき幸せである。

・適当な場所に住み、前世には功徳を積んでいて、みずからは正しい請願を起こしていること、ーーこれがこよなき幸せである。

・父母につかえること、妻子を愛し護ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと、ーーこれがこよなき幸せである。

・施与と、理法にかなった行いと、親族を愛し護ること、非難を受けない行為、ーーこれがこよなき幸せである。

・悪を厭い離れ、飲食を制し、徳行をゆるがせにしないこと、ーーこれがこよなき幸せである。

・尊敬と謙遜と満足と感謝と適当な時に教えを聞くこと、ーーこれがこよなき幸せである。

・耐え忍ぶこと、温良なこと、諸々の道の人に会うこと、時々理法についての論議をすること、ーーこれがこよなき幸せである。

・修養と清らかな行いと聖なる真理を見ること、安らぎを証すること、ーーこれがこよなき幸せである。

・世俗のことがらに触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚れなく、安穏であること、ーーこれがこよなき幸せである。

・これらのことを行うならば、いかなることに関しても敗れることがない。あらゆることについて幸福に達する。、ーーこれがかれらにとってこよなき幸せである。


②もう一つご紹介しましょう。夜叉とブッダのQ&Aです。

Q:この世で人間の最上の富は何であるか?いかなる善行が安楽をもたらすのか?味の中での美味はなんであるか?どのように生きるのが最上の生活であるというのか?」

A:この世では信仰が人間の最上の富である。徳行に篤アツイいことは安楽をもたらす。実に真実が味の中での美味である。知慧によって生きるのが最上の生活であるという。

Q:ひとはいかにして激流を渡るのであるか?いかにして海を渡るのであるか?いかにして苦しみを超えるのであるか?いかにして全く清らかと成るのであるか?

A:ひとは信仰によって激流を渡り、精励によって海を渡る。勤勉によって苦しみを超え、知慧によって全く清らかとなる。

Q:ひとはいかにして知慧を得るのであるか?いかにして財を獲るのであるか?いかにして名声を得るのであるか?いかにして交友を結ぶのであるか?どうすれば、この世からかの世に赴オモムいたときに憂いが無いのであろうか?

A:諸々の尊敬さるべき人が安らぎを得る理法を信じ、精励し、聡明であるならば、教えを聞こうとする熱望によって知慧を得る。適宜に事をなし、忍耐強く努力する者は財を得る。誠実をつくして名声を得、何ものかを与えて交友を結ぶ。信仰あり在家の生活を営む人に、誠実、真理、堅固、施与というこれらの四種の徳があれば、かれは来世に至って憂えることがない。


                  やまとこたろう


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